住友化学は、1913年、愛媛県新居浜の別子銅山で銅の製錬の際に生じる排ガスの煙害を解決するため、その原因である亜硫酸ガスから肥料を製造することを目的に設立されました。
当社は、その設立の経緯とも通じる、自社の利益のみを追わず、事業を通じて広く社会に貢献するという理念を脈々と受け継ぎながら、時代の変遷にあわせて事業の変革を遂げてまいりました。現在当社は、石油化学、エネルギー・機能材料、情報電子化学、健康・農業関連事業、医薬品の5事業分野にわたり、幅広い産業や人々の暮らしを支える製品をグローバルに供給しております。
【石油化学部門】
日本・サウジアラビア・シンガポールに製造拠点を有し、それぞれの拠点の強みを生かして、ポリエチレン・ポリプロピレン・メタクリル樹脂等を製造し、顧客の幅広いニーズに応え、様々な産業の礎となる化学製品を提供しています。2019年末にはサウジアラビア・ラービグ第2期計画が商業運転を開始しています。
【エネルギー・機能材料部門】
省エネルギー製品に使用されるアルミナ等無機材料、高性能な高分子添加剤、電子部品・次世代自動車に用いられるスーパーエンジニアリングプラスチックスやリチウムイオン二次電池用部材等、環境負荷低減や省資源・省エネルギーに貢献する機能化学品を幅広く提供しています。2020年に固体型電池に関する産学共同講座も開設しました。
【情報電子化学部門】
液晶や有機ELのディスプレイに使われる光学機能性フィルム、タッチセンサーパネルやカラーレジスト、半導体製造工程で使われるフォトレジストや高純度薬品、そして通信端末のアンテナスイッチ等に使われる化合物半導体材料など、IoT時代を支える製品を幅広く供給しています。2019年に中国・西安での半導体ケミカル事業を開始しています。
【健康・農業関連事業】
農作物の安定的な供給、世界の人口増加に対応するための食糧増産、感染症の蔓延防止、衛生的で健康な生活の実現等に貢献するため、農薬や肥料、飼料添加物の他、家庭用殺虫剤、感染症対策製品、医薬品原薬・中間体等を製造・販売しています。2019年には海外農薬メーカーの南米子会社を買収しました。
【医薬品部門】
住友化学の医薬品事業は、高度な有機合成技術を基盤に、日本で初めて合成医薬品を製造したことに始まります。現在は医療用医薬品事業を中心とする大日本住友製薬株式会社と、診断用医薬品事業を中心とする日本メジフィジックス株式会社の両社を軸に事業を展開しています。
技術系総合職(研究開発、データサイエンス、生産技術・エンジニアリング、知的財産など)
1.研究開発
社会課題の解決、Quality of Lifeの向上に寄与する製品の開発。当社の物づくりを支えているのが、次世代製品・プロセス開発に関わる長期テーマを研究する「コーポレート研究所」と各事業部門の技術と製品の開発を行う「事業部門研究所」です。
「事業部門研究所」は製造・販売と一体となり、事業活動の維持・強化・拡大に資する製品や基幹・要素技術の研究開発を行っています。
「コーポレート研究所」は、新規事業分野へ進出するための技術開発、競争優位性をもたらす共通基盤技術の開発、次世代製品・プロセス開発等に取り組んでいます。
2.データサイエンス
研究開発、プラント、オフィス、サプライチェーンマネジメントのそれぞれの領域において、デジタル革新をより加速させ、業務プロセスの飛躍的な生産性向上と新しい価値の提供を図り、その実現に向けてIoT、AI、MI、PRAなどのデジタル技術の取入れ、コンセプト検証・実装・本格展開のサイクルを回しながら、現場への普及・活用・定着を推進しています。
3.生産技術、エンジニアリング
研究開発と製造を繋ぐ製品の精算プロセス開発や実際に製品を製造するためのプラントの設計・建設、安全・安定操業等を担います。製品の高機能・高付加価値化やAI・IoTを活用したプラントの生産性向上、事業のグローバル化も推進しています。現場では、化学工学、機械工学、電気工学、制御工学などの専門知識はもちろん、「コストを抑えながら、より良い製品をどう製造していくか」、「その改善計画をどのように製造プロセスへ反映するか」等、プロセスの全体を俯瞰する広い視野や柔軟性、想像力も活用しながら業務を遂行しています。
4.知的財産
自社が開発した技術・製品の特許の出願・利権化のほか、知的財産戦略の策定、知的財産のリスク管理、知的財産権が関係するM&Aへの対応、知的財産権についての社内教育などを企画、実行しています。
■グローバル展開
住友化学は1970年代以降、世界経済や社会の枠組みの変化に対応するため、総合化学メーカーとしては早期に積極的なグローバル化を進めました。その結果、積極的なM&Aも実施した上で現在は多分野での海外での研究開発・生産・海外販売を行っております。
このようなグローバルな競争基盤を持つ当社においては、生産高、売上高ともに海外比率が高いことが特徴として挙げられます。生産高における海外比率は、約40%に達しており、そして海外売上高比率は、全体の60%以上占めています。
さらに、現在の当社の開発・製造・販売の海外拠点は、5大陸全てに展開し、研究・製造・販売の活動拠点は、世界30か国以上、関係会社は60社以上あります。この数字は他の総合化学メーカーと比較して非常に高い数字であり、研究開発も海外顧客を対象として実施することが必須となります。
○日本人海外大生の採用実績例や配属先
2020年10月入社 1名 研究職(アメリカ)
2021年4月入社 2名 研究職(アメリカ、中国)